ベネフィットライティングについて

ワークシートの書き方についていろいろと質問があったので少し捕捉したいと思います。

F.A.Bについての意味
・フィーチャー(特徴、スペック):「何か?」WHAT IS・・・
・アドバンテージ:「何をしてくれるのか?」WHAT DOES・・・
・ベネフィット:「その結果経験すること」「意味すること」
         WHAT MEANS・・・、WHAT SATIFY・・・

例えば、
特徴:この車にはエアコンがついています
アドバンテージ:車の中を冷やしてくれます
ベネフィット:暑い日でも快適にドライブできます

お客様はエアコンにお金を払うのではなく、快適なドライブにお金を払います。
ワークシートの説明の中でも触れましたが、お客様は体験する価値に対してお金を払うので特徴を説明しているだけでは物は売れません。ですからその価値をお客様に伝えてるには、その価値を我々が良く理解しておく必要があります。
人間は感情の生き物です。モノを買う時も感情によって欲しいか欲しくないかを判断します。その欲求を正当化するために理屈を必要とするのです。

シートの進め方としては、一つ商品をピックアップしたら
①まずその商品の特徴を探します。
②その特徴から生まれるアドバンテージを書き出します。
③アドバンテージによってもたらされる体験価値を書き出します。

この作業で大事なのはベネフィットはお客様に伝えるときに使う自分の言葉であることです。最終的にセールストークに仕上げるためのシートですから接客時にお客様に使う自分の言葉で書いた方がイメージしやすいと思います。

商品をよく観察して、あるいは資料を読んで特徴を書き出す。
「おっ!?この車にはエアコンがついてるな!」
その特徴から生まれるアドバンテージは?
「車内が冷やせるな」
お客さまへ伝えるべき価値は
「夏の暑い日でも快適なドライブが楽しめますよ♪」
「雨の日に窓の曇りを気にしなくても大丈夫です」
「夏の暑い日に窓を閉め切って大声で歌うこともできます」
などなど一つの特徴からいろんなベネフィットが作り出せます。
ターゲットによって体験価値は変わってくるのでいろんなベネフィットに変換しておくと良いと思いますし、この作業を繰り返していくうちに他にはない独自の価値を生み出せるかもしれません。

体験価値を伝える大切さの例を挙げてみます。
iPodを売るとき、「40GBです」とスペックだけを伝えるより、
「家にあるCD全部持ち歩けるんです!」といった方がお客様の反応を得られるのではないでしょうか?

iPodはMP3プレイヤーの先駆けではありません。
シンガポールの企業が音楽データをMP3に変換して持ち歩ける技術をiPodよりもはるか前に開発していました。にもかかわらずずいぶん後から参入したiPodが圧倒的なシェアを奪った理由は「体験価値を一般の人たちがわかるように伝えた(イメージさせた)」からです。もともと技術マニアや新しいもの好きの一部の人向けだった技術をわかりやすく伝えたアップルの広告戦略の勝利です。
iPhoneをみてもよく理解できます。スペックが特に突出してるわけではなく、逆にスペックごとにみれば他社の方がいいものがあるのに、皆なぜiPhoneを買うのか?
それはスペックではなく体験価値をイメージさせ、iPhoneの方が何となく便利な気がすると多くの人たちに思わせているからです。もっと言えばみんな持ってるからという理由だけで買っている人がものすごく多いのも事実。

スペックで負けてても体験価値がすばらしければ(素晴らしいように見せれば)市場を圧倒できます。
逆に言えば、突出したいい商品を作っても体験価値がお客様に伝わらなければモノは売れません。

体験価値の表現は、ジャパネットなどの売れてるインフォマーシャルがとても参考になりますが、アップルの広告や印刷物もとても勉強になるので、そんな目で一度見てみてはいかがでしょうか?
他と変わらないようなスペックをいかにもiPhone独自の技術であるかのように表現しています(オリジナルの名前をつけたり)
ただ、勘違いしてはいけないのは他社より劣っている製品をいいように見せているのではなく「体験価値から商品を開発」しており、その体験価値を十分満たすスペックを備えたいい商品を作っているということです。

シートの説明にもありますが、これまでになかった価値を商品の中に発見した例で、
会議やインタビューに使用する目的で作られたボイスレコーダーを家庭内伝言ツールとしての体験価値をつけたジャパネット、大量の音楽データを圧縮してコンパクトに持ち運ぶというプロ用向けツールを手軽に音楽を楽しめるという体験価値に置き換えたアップル(街中で音楽を楽しむという価値ははるか以前にSONYが考えたもの。iPodは二つのアイデアを組み合わせただけ)。
ベネフィットライティングはものを売る上でなくてはならないものだと思います。

最初はうまくできなくても大丈夫です。プロのライターさんでも最初からすらすら書けるひとなんていないはずです。みんな数をこなしてうまくなったんだと思います。
私自身も以前は、口下手の全然売れないただの洋服が好きなだけの販売員でした。

コメント